Hib(ヒブ)ワクチンについて

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 最近、聞きなれない「ヒブワクチン」という言葉を耳にするようになりました。昨年の12月に「ヘモフィルスインフレンザ菌b型(Hib)」のワクチンの接種が始まりました。どのようなワクチンなのでしょうか?

 

Hib(ヒブ)とは
 ヘモフィルスインフルエンザ菌b型という細菌の略称です。細菌が脳や脊髄の髄膜に入ってけいれんなどを起こす細菌性の髄膜炎という病気がありますが、その原因の60%がヘモフィルスインフルエンザ菌b型です。この菌による髄膜炎では、その5%が死亡、25%に後遺症が残り、日本では毎年、5歳未満の小児600人が発症しています。初期には風邪と同じような症状だけですので、早期発見が難しいこともあります。新生児ではお母さんからもらった抗体に守られているので発症は少ないのですが、2-3ヶ月でその免疫がなくなるために、病気にかかる率が高くなります。その後、徐々に自然免疫が発達し、5歳を過ぎると発症しなくなります。髄膜炎のほか、敗血症、喉頭蓋炎、肺炎などを引き起こします。

ワクチンの有効性
 3回目接種の4週間後には、感染予防に必要な抗体保有率は99.2%、4回目の追加免疫4週後は100%となっています。米国ではヒブワクチン導入後、罹患率が百分の一になり効果をあげています。髄膜炎はまれな病気ですが、かかると怖い病気ですので、重要なワクチンと考えられます。

 

副反応
 接種後7日目までの副反応としては発熱、嘔吐、注射部発赤、腫脹、硬結、不機嫌などがありますが、ほとんどは3日以内によくなります。

接種スケジュール
<標準> 
接種開始年齢:2ヶ月以上7ヶ月未満
用法:初回免疫として通常3回、いずれも3-8週間の間隔で接種
   追加免疫として初回免疫後おおむね1年の間隔をおいて1回

<上記接種にもれた場合>
○接種開始年齢が7ヶ月以上12ヶ月未満の場合
用法:初回免疫として通常2回3-8週間の間隔で接種し、おおむね1年の間隔をおいて追加免疫を1回
○接種開始年齢が1歳以上5歳未満の場合
用法:通常1回のみ

 

費用
 現在日本では全額自己負担の「任意接種」となっています。当院での1回接種の費用は7000円です。

 

予約をお願いします
 現在、ワクチンが不足しており、当院では7ヶ月未満のお子様を優先して予約しておりますが、ワクチンの入荷状況によっては、7ヶ月以上のお子様も接種できる場合があります。ご希望の方は当院までお問い合わせください。

注:Hibワクチンは接種希望者が多いため、現在(2009年10月)予約受付を一時中止しています。

文責:伴 彰子