ワクチンのお話

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 わが国の予防接種は20年遅れていると言われていましたが、ここ数年でやっと先進国に追いつきつつあります。昨年10月からは水痘ワクチンも定期接種の仲間入りを果たし、2回接種になりました。B型肝炎ワクチンも定期接種化が検討されているようです。今回はワクチン全般についてお話したいと思います。ワクチンは大きく分けると「不活化ワクチン」と「生ワクチン」「その他」に分けることができます。

 

生ワクチン
 生ワクチンは生きたばい菌やウイルスの毒性を弱めて作ったワクチンで、麻しん風しん混合ワクチン、水痘ワクチン、おたふくワクチンなどが該当します。毒性の弱いばい菌やウイルスが体内で増えるため、病気にかかったのと同じ状態になり、免疫ができるまでやや時間はかかるもの、その効果は高く、長く持続します。たとえば、麻しん風しん混合ワクチンは打って1-2週間たってから熱が出たり、発疹が出ることがあります。

 

不活化ワクチン
 不活化ワクチンは、ばい菌やウイルスを完全に殺して毒性をなくし、免疫をつける成分を残したもので、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、四種混合ワクチン、日本脳炎ワクチンなどが該当します。病気にかかったのと同じ状態になるわけではないので、一定の間隔で何回か接種を行わないと免疫ができません。また効果の持続はやや短く、一定の間隔で追加接種が必要になります。たとえば、日本脳炎ワクチンは2回打つことで免疫を作り、1年後に追加接種を行うことで、効果が5年間持続します。そのため、5年後に2期の追加接種を行うことになっています。

 

同時接種について
 ワクチンはどの組み合わせでも接種することができ、生ワクチン、不活化ワクチンをいっしょに接種することも可能です。たとえば1歳になると生ワクチンである麻しん風しん、水痘、おたふくワクチンと不活化ワクチンであるヒブ、肺炎球菌ワクチンの5本を同時に接種することができます。

 

その他
 定期接種ではありませんが、トキソイドというワクチンがあります。トキソイドはばい菌が作り出す毒素を弱めて作ったもので、毒素に対する免疫を作るものです。外で怪我をしたときなどに、破傷風にかかるのを予防するために使われることがあります。

 

赤ちゃんのワクチン
 赤ちゃんのワクチンは2ヶ月になったらヒブ、肺炎球菌ワクチンが始まります。いずれも不活化ワクチンであり、3回打って免疫を作ることから、1回、2回の接種では安心できません。できるだけ早く3回まで接種を完了することが重要です。1歳のときの追加接種を行います。

 

ワクチンのスケジュール
 赤ちゃんのスケジュールをご参照ください。

文責;北村和也